中学1年生が入学してから半年。中学でほとんどの生徒が一緒に始めた英語の勉強や部活動で少しずつ差がつき始める時期です。スタートは同じ時期なのに、どうして差がつくのでしょうか? 才能とかセンスとかの問題ではないですよね。小さなことでも半年という期間続くと、差となって現れます。その差がつく大きな原因の一つに読むことがあります。読むことといっても国語に限ったことではありません。すべての勉強の基本となる能力ですから影響力は大きいです。
英文を読む
たとえば英語の場合、英語の教科書にカタカナで読みを書いたり意味を書いてしまったら、英語の単語を読まずに読みや意味の書き込みを見てしまいますよね。これでは英単語を見る機会が減ってしまいます。英単語を見て読みと意味をすぐにイメージできるようになることが、英語の最初の勉強です。英文を読むということは、英単語を見て読み方や意味を考えることです。最初は大変な作業になるかもしれませんが、これに慣れておかないと教科書でみたことがある英文以外に入試などで直面したときに、手も足も出ない状態となります。(当たり前ですが、入試問題には読みも意味も書いてありませんから)
そのために、ファクトリウムでは英語の教科書には書き込みを行いません。昔からの勉強方法ですが、ノートに半分を書き写し大事なことや注意事項をノートの本文に書き込みます。それを読みながら意味が把握できる練習を行い、それから何も書き込んでいない教科書を読んで意味を理解する練習を行います。こうすると英語が苦手な生徒も英文と考えながら読めるようになり、苦手意識が消えていきます。さらに英文を見て読む習慣がついてからは、本文に直接書き込みながら読み進めることも行います。上位の私立高校の入試問題や高校以降の英語では、文自体が長くなり英語の語順で頭に入れていく必要が出てくるからです。
楽譜を読む
また部活動では吹奏楽部を指導している経験から、楽譜についても同じことが言えます。楽譜で音符の下に ド・レ・ミ…や指使いを書いてしまうと、音符に目が行かなくなり書き込みだけで演奏しようとしてしまいます。
これを続けていると楽譜を読む習慣がなくなり、いつまでたっても楽譜を読めるようにはなりません。楽譜には音符以外にも大事なメッセージがたくさん書き込まれています。合奏に使うそれぞれのパート譜からでも、フレージングやバランスや時にはハーモニーなどの大事なことを読み取ることができます。まずは音符を読むことに慣れて、さらに作曲者のメッセージを読み取れるようになりましょう。
国語力が必要
最初にお話ししたように、読むこととは国語だけでの話ではありません。英語にしても楽譜にしても「アルファベット」や「音符」といった、今まで接する機会があまりなかった記号から意味を読み取ることを行います。普段の生活で本や雑誌、ネットの情報を読むときに、書いてある日本語の意味を考えながら読み進めていた生徒は、比較的早く「アルファベット」や「音符」という新しい記号に慣れていきます。日本語の文字(ひらがな・カタカナ・漢字という記号)から、読み方・意味をイメージする習慣がついているからです。今後、小学校での英語学習の内容が増えますが、まず国語を読む習慣を付けないと ますます差が開いていくでしょう。
コメント
[…] 先日投稿した「読むということ」の続きになりますが、読書について。 […]